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受難のグラスランナー

 激しい音と共に、店の扉は開けられた。
 ガタンっ、と反射的に席を立つ少年の姿が、店内にみとめられた。彼と同じテーブルには髭面のドワーフやら妖気漂うエルフやらが座しているが、こちらの方は黙々と料理を口に運んでいる。
 にじりにじりと寄ってくるその存在から逃げるように、少年はテーブルを軽々と飛び越えると、今開かれたばかりの扉へ駆け寄った。それに合わせるように、相手も体を捻って彼を捕らえんとする。
 軽い音と共に、少年の体が宙を舞った。このまま外へ躍り出ようという魂胆である。
 しかし──
「無駄よっ!」
 声と共に両手で引き捕まれ、彼はいともあっさり捕獲されてしまった。
「あははは、あたしから逃げようなんて50年早いわよ〜、フィップちゃん☆」
 じたばたもがくフィップを小脇に、高らかな声が、いつもと変わりなく冒険者の店に木霊した。

「それにしても、いつもながら見事なもんぢゃのう……」
「まったくじゃ。あのすばしっこいフィップを、いつもいつもあっさり捕らえて……何というか……」
「……ペットへの執着心?」
『うむ、なかなか見事な表現じゃっ!』
 ソローのツッコミに、ダルスとダッシュが同時に頷いた。
「でも、あれだろ? グラスランナーと人間って、結婚とかできないんじゃなかったっけ?」
 人間と交配可能な種族は、エルフのみである。従って、「ハーフドワーフ」とか「ハーフグラスランナー」などというものは存在しない。
「それはその通りぢゃ。が……愛玩動物としてなら、問題あるまい」
「それもそうか」
 ダルスの言葉に同意するヴァトルダー。なかなか鬼畜な会話である。
「にしても、なんでまたフィップをあそこまで気に入ったんだろうな、あのお嬢ちゃんは……」
「かわいいからじゃない? たぶん」
「……そ、ソロ〜」
 「かわいい」の言葉に、ヴァトルダーは声を震わせた。
「フィップは駄目だぞ〜、今言った通り、人間とグラスランナーは結婚できないし、それにぃ……」
「なに慌ててんの? パパ」
 怪訝そうな目に、明後日の方を向いて誤魔化すヴァトルダー。
「それに、どうせ結婚するなら……」
 ほんのりと頬を赤く染め、見つめるその先には踊るエルフの姿があった。
「や、やめろぉぉぉ……そりゃ、確かにエルフとは結婚できるけど、あれは却下だ! 却下!! 却下ぁぁぁ!!!」
 ダルスに「お義父さん」と呼ばれる光景が頭を過ぎり、顔面蒼白になる。
「冗談よ」
 きっぱりはっきり真顔で言われ、大きく息を吐くヴァトルダー。彼女も、相変わらずの性格をしている。
「ま、それはいいとしてだ……」
 気を取り直して、パンを千切りながら一つ離れたテーブルに目をやる。
「この時間、飯のネタにはことかかなくなったなぁ……」

 その「飯のネタ」二名──一名は不本意だが──は、かなり豪勢な朝食を取っていた。さすがに金のある家の娘は違う。
「はい、フィップちゃん、あ〜んして☆」
「メノちゃん〜、前から言ってるけど、僕の方が年上なんだよ」
「気にしないの☆ あたしも前から言ってるじゃない、『あたしよりちっちゃいんだから』って」
「だから、それも前から言ってるように、『でも僕の方が年上』……」
 以下、堂々巡りの議論が続く。これも連日のことだ。なお、過去のデータからすると、3割の確率でフィップが折れ、7割の確率でメノ嬢がフィップを「折れさせる」ことになる。
「…………なのよっ。 わかった?!」
「……うん……」
 今回はどうやら後者で収まったようである。
「じゃ、あ〜んして☆」
「…………」
 無言のまま口を閉ざし続ける。フィップにしてみれば、最後の抵抗である。
 が、もちろんそんなものが「わがままお嬢様」こと、メノに通じるはずもなかった。
「は〜や〜く〜、あ〜んしなさい〜☆」
 澄んだ声の端々に垣間見える威圧感は、尋常ではない。
「……あ〜ん……」
 こうなると予想がついていたとはいえ、フィップにしてみれば甚だ不本意である。ついにしぶしぶ口を開けたものの、その目は心なしか潤んでいた。
「……いつもながら、むごいな……」
「……ああ……」
 離れた席では、朝食を食べ終えたヴァトルダーたちが口々にフィップを憐れんでいた。それでも助けようとしたりしないあたりが、彼らである。
「もうやだよぅ……こんな生活〜」
 フィップは堪えきれず、ついにしくしくと泣き出してしまった。

 時は、今から三ヶ月ほど過去に遡る。
 この頃ヴァトルダーたちは、仕事の関係でティグ邸に数日間厄介になっていた。当然、この中にはフィップの姿もあった。
 仕事自体には何ら問題がなかった。
 ところが、この一件の裏には、当のティグ達でさえ知らない影が潜んでいたのである。
 その影の名は、メノといった。
「お兄ちゃん」
 ティグやヴァトルダー達が歓談している部屋から出てきた兄セインを捕まえ、彼女は言ったものだ。
「あのフィップって子、欲しい」
 セインがオーバーアクションで壁に頭をぶつけたことは、言うまでもない。
「ほ……欲しいって、あのねぇ」
 赤くなった額をさすりながら、兄は尋ねる。
「なんでまた、フィップ君が『欲しい』んだい?」
「かわいいから」
 セインの目が宙を泳ぎ、裕に30秒は過ぎ去ってから妹の元へ戻ってきた。
「それはつまり、その……どういう部類の『かわいい』なのかな?」
「ん〜とねぇ……こういうの」
 笑顔のまま、彼女は抱えていた子猫を兄の目の前に突きつける。
「そ……そぉ……」
 猫と、一緒か……。
 セインは胸の底から息を吐き出すと、二重の意味で痛み出した頭を押さえてよろよろと廊下を歩き去った。
「お兄ちゃん……変なの」
 その背を、心底不思議そうに見送るメノであった。
 次に彼女のカモになったのは、父ティグである。
 それは翌朝、朝食の時であった。
「ん? メノ、どうしたんだい?」
 先ほどからずっと自分の顔を見つめる娘の姿に、ティグは素朴な疑問を口にした。
「あのね、お父さん……。あたし、欲しいものがあるんだけど……」
「ほう。そりゃまた、何だい?」
 目を細めて彼は問うた。「部分的切れ者(ヴァトルダー言)」と称されるティグも、実の娘に対しては目に曇り硝子が填め込まれるらしい。「過保護」という言葉が自分のためにあるなどとは、よもや思いもしていないのである。
「あのねぇ……フィップちゃん」
 直後、ティグは口に含んでいた紅茶を一気に吹き出し、激しく咳き込んだ。執事が慌ててテーブルの上を拭い、主人の背をさする。
「ゲホッ、ゲホッ……ああ、執事A’さん、どうもありがとう……」
 肩から息をしながら礼を述べると、彼は改めて娘の顔を見やった。
(そうか……とうとうこの娘もそんな年に……)
 ぐぐっと目元に熱いものがこみ上げるのを感じながら、ふと違う点に視点を変えた。
(……しかし、確か人間とグラスランナーでは、子供ができないはず……この娘は、それを知っているのか? 知らないとしたら……)
 あまりにも不憫でならない。
 自身の勘違いに気付くこともなく、どんどん思考を進めていく。
(いや、ですが、愛する者同士結びつくのが、本人達にとっても一番幸せなはず……子供なんて、それこそ養子でもなんでも、手はありますし……)
 ティグの妄想……もとい思考も、そろそろ佳境に入ってきた。
(そうです! この娘が望むのなら、それを適えてやるのが親の努めですっ!)
 フィップの意向を完全に無視した結論に到達したティグは、心持ち寂しげな笑顔でメノに語りかけた。
「メノ……そこまでフィップ君のことを……」
「……え?」
「『え?』……って……え?」
 てっきり「……そうなの……ポッ☆」とか「やだお父さん、それ以上言わないで……☆」とか、どこぞの三流小説にでも出てきそうな返事がかえってくることを想像していたティグは、娘と同じ間の抜けた声を発した。
「……ちょっと聞くが……メノ、『フィップ君が欲しい』ってのは、どういう理由で……?」
 やっとの思いで、それだけを尋ねる。
「かわいいから」
 無邪気に答える娘に、さしもの勘違い男・ティグも、ようやく事態を把握するに至った。
「あ……いいかいメノ、グラスランナーにも人権はあるわけで、彼の意志を無視しては……」
「欲しい」
「いや、だから……」
「欲しいの! 欲しい〜っ!!」
 メノの「欲しい」コールに、父は頭を抱えて呟いた。
 ……育て方、間違えたかもしれないですね……と。

 この時から二ヶ月の熟成期間を経て、メノの「ゲット・フィップ」作戦は敢行されたのである。

 トントン……。
 昼のティグ邸(のごく一部)に、戸を叩く音が響いた。
「はい、少々お待ちを……」
 さほど間をおかずに軽く音を立てて戸は開き、中から初老の男性が顔を見せた。
「おや、これはフィップさ……」
「し〜っ!!」
 フィップなりに激しい剣幕で睨まれ、執事A’は慌てて口を噤んだ。
「お願いだから、僕の名前を大声で呼ばないでよ……あの娘に見つかっちゃうじゃない」
「はぁ……で、今日はどのようなご用件で?」
「ティグさんにお願いがあってきたの」
 執事は軽く頷き、胸元の手帳に目を通した。
「旦那様は……今日は執務室にいらっしゃいますね。クレイン・ネットワークの方におられます」
「ふぅん……じゃ、紹介状書いてよ。いつも、受付さんからティグさんのところへ話が行くまでに一時間もかかるんだ」
「畏まりました。少々お待ちを」
 温厚な彼は不平一つ漏らさず、奥に引っ込むと一枚の紙を手に戻ってくる。
「ありがとう。じゃねっ」
 フィップが軽い足取りで去ったあと、戸締まりを確認して振り向いた執事A’は頬をひきつらせた。
「め、メノ様……」
「何なの、その露骨に怪しいリアクションは」
 白い目で執事の表情を観察する。
「ね、誰が来てたの?」
「そ、それは……そう、旦那様のご友人で……」
「その『そう』がますます怪しいわね……」
 ジロジロと執事の顔を覗き込みながら、
「もしかして、フィップちゃん?」
「そっ!! そんなことはありませんっ!」
「わぁ、やっぱりフィップちゃんなんだ☆」
 嘘のつけない男、執事A’。
「ちっ、違います、メノ様〜」
「いいのいいの、きっとフィップちゃんに『メノちゃんが追ってくるといけないから、彼女には黙っててね』とか言われたんでしょ? きゃ〜、フィップちゃん〜☆」
 多少の勘違いは入っているものの、大筋は間違っていない。
「で、フィップちゃんはどこ行ったの?」
「…………」
 これ以上は失敗するまいと、沈黙を守る執事。
「いつもの店?」
「…………」
「……お父さんとこ?」
「違いますっ!!」
「そう、お父さんとこなのね。ありがと〜☆」
「あぁぁぁぁ、しまったっ! 思わず反射的にっ!!」
 頭を抱えて絶叫する執事A’を無視して、メノはネットワークへ向かって走り出した。

「ティグ様、フィップ様と仰るお子様がお見えになっておりますが……お通してもよろしいでしょうか?」
 フィップの名を聞いた途端に用件がわかった……と、のちにティグはラエンに語っている。
「ええ、通して下さい……」
「ティグさん、何かあったのか? フィップが一人で来るなんて」
「ま……もうすぐわかりますよ。もうすぐね……はい、チェック」
 チェス盤を囲みながら、呑気に話す二人。
「俺としては、フィップのことよりも、夕方に来るセダルの査定の方が気になるけどな……」
「……あなた、他人の心配より自分の心配を……」
「うっ! そ、それは言わない約束……」
 痛いところをつかれ、声を失うラエンだった。
「失礼しま〜す」
 元気な声とともに、室内に少年が入ってくる。
「やあ、フィップ君。私にはどうにもできませんよ」
「……まだ僕、何も言ってない……」
 目をパチクリとさせるフィップを、ティグは手招きで呼んだ。
「ま、そこにでも座って下さい。
 それで? メノがどうしました?」
「……わかってるなら、なんとかしてくれればいいのに……」
「ですから、言われる前にいったじゃないですか。『どうにもできませんよ』って」
「う〜……」
 むくれながらも、とにかくフィップは今朝までのことを話した。
「……というわけなんだ。
 まとわりつかれるのもイヤだけど、あの『あ〜ん』はイヤだぁ〜」
 涙目で訴えるフィップだが、それで事態が変わるわけでもない。
「そう言われましてもねぇ、私の方だって困ってるんですよ。あの娘、まだ未成年だと言うのに、毎朝毎朝食事さえ一緒にとらず一ヶ月……このまま悪い道に入らないかと思うと心配で……」
 室内は暗い空気に包まれてしまった。そんな中、一人チェスに没頭する男がいる。
「ふふ……これでどうだぁ!」
「ほんとに、あの娘を変える方法は……はい、チェックメイト……ないんでしょうかねぇ……」
「がぁぁぁんっ! なんで中途半端にしか頭を使っていないティグさんに負けるんだぁっ!」
 これで、室内は完全に暗い空気で満たされてしまった。
「あのさ、俺、考えたんだが……」
 気を取り直したように、ラエンが提案した。
「要は、メノ嬢ちゃんが、フィップ以上に惹かれるものを用意すりゃいいんじゃないのか?」
「……ラエン、どこかで頭でも打ちましたか?」
「ホント、なんか調子が悪そうだね」
「……そりゃどういう意味だ……」
 不機嫌そうに呟くラエン。
「いやぁ、あまりにも真っ当な考えだったもんで……」
「でも、メノちゃんが好きなものって、何があるのかなぁ」
「そうですね……あの娘、子猫とかフィップ君とか、かわいいものに興味があるみたいですから……」
「……僕ってやっぱり、猫と同列……?」
「まあ、猫は話せませんからねぇ。やっぱり、言葉が通じるフィップ君の方がよかったんでしょ」
 無責任に言い放つティグ。フィップの心はかなり傷ついた。
「メノ嬢ちゃん、いくつなんだ?」
「今年で14ですが……あれ? ……あと一年で成人じゃないですか……」
 これは意外と、ティグは器用に肩を竦めた。
「ソローちゃんと同い年なんだねぇ。……そだ。もうすぐ成人なら、誰かとくっつけちゃえばいいよ」
「くっつけるって……つまり、結婚させる、ということですか?」
「そう」
「駄目ですっ!!」
 珍しく、大声でティグが叫ぶ。
「メノは、まだまだ嫁になんか出したりしませんっ!」
「……で、でも、子供ってのはよ、いつかは親元から巣立つもんだぜ、ティグさんよ……」
「駄目! 絶対駄目っ!!」
 駄目の一点張りで通す父親。
「私の目の黒いうちは、あの娘の好き勝手にはさせませんよっ!!」
「……既に、娘に好き勝手されてるのに……?」
 ボソッと呟いたフィップの言葉に、ティグの体が凍り付いた。
「おいフィップ、それを言っちゃあおしまいだぞ……」
「あ……思わず言っちゃった……」
「い……今のは効きましたよ……いいんです、どうせ私なんか……」
 チェスを横にどけると、ティグは机に突っ伏して肩を震わせ始めた。
「てぃ……ティグさぁん……気を取り直して、メノ嬢ちゃんのことを考えようぜ……」
「二人で勝手に決めちゃって下さい……もう、私は知りませんよ〜だ……」
「あ〜あ、拗ねちゃった」
 ペロッと舌を出し、フィップは苦笑した。
 その時、ノック音とティグを呼ぶ声が部屋に響きわたった。
「ティグ様……メノお嬢様がお見えになっておられますが……」
「うえぇぇぇっ?!」
 フィップが素っ頓狂な声を上げ、慌てて窓を開け放つと身を乗り出した。
「逃げる!」
「こら待てぃ」
 窓から半ば外へ出たフィップの襟首を、ラエンが引っつかんだ。
「見逃してよラエン〜、メノちゃんに捕まっちゃう〜」
「……いつまでも逃げ続けて、それで解決すると思うのか?」
「そ、そんなこと知らないよ〜。未来以前に、今が悲惨ならどうしようもないじゃないか〜」
「む……それもそうか」
 あっさり納得すると、ラエンは不意に手を離す。
「急に離すなぁぁぁ……」
 それでも、猫のようにあっさりと着地するあたりは、さすがにベテランのシーフである。
「ようし、このまま逃げ……」
「無駄よ☆」
 そのまま声を無視して走っていれば、あるいは逃げおおせたかもしれない。
 しかし不覚にも、彼は振り返ってしまった。
 ジ・エンドである。
「いやだぁぁぁぁ……」
 メノに引きずられていくフィップの声をBGMに、ラエンはため息をついた。
「グッド・ラック、フィップ……」

「それで、あのあと結局どうなったんだ?」
 三日後、再びネットワークの執務室で、彼らは集まっていた。
「ティグさんちに連れてかれてさ、お菓子食べながらず〜〜〜っと話を聞かされてたの。セインさんが止めに入ってくれなかったら、帰れなかったよ、きっと……」
「そりゃ災難だったな」
 髭の下で笑いを噛み殺しながら、ラエン。
「でも、昨日からはもう、メノちゃんの陰に脅えなくてもよくなったんだ」
「ほう……そりゃまたなんでだ? あのメノ嬢ちゃんが、お前を諦めたのか?」
 喜色満面のフィップに首を傾げる。
「うん、代わりの人ができたからね」
「代わり……?」
「そういえばフィップ君、一昨日家に帰ってきてから、メノの様子がおかしいんですが……それも、その『代わりの人』と関係があるんですか?」
「たぶんあるんじゃないかな。よくはわかんないんだけど……」
 ティグとラエンが顔を見合わせた。
「それで、その『代わりの人』っていうのは誰です?」
「えへへ……セダルさん」
 瞬間、室内は爆笑に覆われてしまった。
「よ……読めたぞ、一昨日何があったのか……」
「ええ……私も……」
 大笑いするラエンと、こちらは苦笑いのティグを、キョトンと見つめるフィップ。
「どういうこと? 僕、全然わかんないよ」
「いいのいいの、子供はわからなくても……」
「子供じゃないよ〜」
 頭をポン、ポンと叩くラエンに、フィップはふくれっ面をしてみせた。
「セダルの奴、大方……メノ嬢ちゃんを振ったな」

「生憎だが、俺は子供に興味がないんでね……五年経ったらまたおいで」
 とは、一昨日のセダル氏がメノ嬢に残した台詞である。


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