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リプレイ・山の遺跡にて 後編

 遺跡の魔物を取り逃がしたヴァトルダー達は、代わりに落ちていた骨をかき集めて村へ戻り、いけしゃあしゃあと『魔物は退治しました』。
 名案で無事乗り切ったと思ったのもつかの間、その夜に問題の魔物の咆哮が。村長激昂、ヴァト大慌て(笑)。
 結局、翌朝再び遺跡へ潜ることになったのである。彼らは、今度こそ魔物を退治することができるのだろうか?



GM では、再び遺跡だ。2つ十字路を越えた先にあった階段までは問題なく辿り着けたぞ。ここで先頭、冒険者+知力で判定してくれ。目標値は12だ。
ヴァトルダー (コロコロ)イエッサー、楽々成功だぜ。
GM では、横の壁と床に、油がたっぷり塗られていることに気付いた。
フィップ い、陰険な。
GM 階段は割と急だぞ。降りるなら、冒険者+敏捷度で……
フィップ そうだ。いっそ、火をかけて油を燃やしてしまおう(笑)。
GM (な、なにっ?!)
ヴァトルダー そんなこと言って、誰が火をつけるんだよ。
フィップ そりゃもちろん、僕らが全員避難した後に、ヴァトルダーが松明で……
ヴァトルダー アホかぁ、いくら何でも死ぬだろうが(笑)。

 この後、しばし議論して出た結論。

ダルス わしらが避難した後、ヴァトルダーが離れたところから松明を投げて、その後全力で 逃げる──と。
フィップ じゃあGM、そういうことで。
GM へいへい(かなり投げやり)。では、投げた松明が油に触れて、次の瞬間燃え上がったぞ。
ヴァトルダー 全力で逃げる。
GM うむ。では、外へ着いた。
フィップ え、着いたの? 着く前に閉めるんじゃなかったっけ?(笑)
GM いいよ、別にそれでも。
ヴァトルダー いいことあるかい(笑)。
フィップ ほら、中から放射能の灰が集まってくるのを、内側から……(笑)

 「北○の拳」ネタ……わかる人は、果たしてどれだけいるのだろう。

GM 戸を閉めて……ロックはかけるの?
フィップ ロックをかける必要はないと思う。出てきてくれるなら、その方が手間省けるし(笑)。
ヴァトルダー ちょっと遺跡から離れておこう。
GM では、そのうちに扉の隙間から煙がもわもわと……。
ヴァトルダー ああ、いい感じだ。じゃあ村に帰って、『見ての通り火葬しました』と。
ダルス いや、まだ帰るのはまずいような……
フィップ とりあえず、(ゴブリンの遺骸とかを)回収して行こうよ。
ヴァトルダー え? もう骨を回収したんじゃないの?
GM こらこら(笑)。
ヴァトルダー じゃあ燃え切るまで待とうか、ここで。
GM 煙はずっと出続けてるよ。
ヴァトルダー はい。
フィップ よく考えたら開けた方がいいのかな。中が酸素不足になっているような(笑)。
ヴァトルダー でも、開けたら俺たちの方が大変なような気がするぞ。
ダルス (きっぱりと)大丈夫。煙を浴びるのは、開けた人だけぢゃから(笑)。
フィップ みんな30メートルぐらい離れて(笑)。
ヴァトルダー ほらほらほらほら、来たぞ〜。なんか毎度のオチだな(笑)。……そのまま見ていよう。
GM 煙はまだ出ている。昼を過ぎてもまだ出ている。夕方が来てもやっぱり出ている。
ヴァトルダー どこまで油を染み込ませてたんだ、あいつは(笑)。
GM というか、煙の出ている隙間がこんなの(といって、指で細い隙間を作る)だからな。
フィップ 中は燃え尽きてるだろうから、開けたらもわもわもわっと煙が出て、10分ぐらいで晴れてしまうんだろうけどねえ。バルサンやる時みたいに(笑)。

 バルサンって、実物はまだ見たことないな。昔から一度は見てみたいと思っているんだが。

ヴァトルダー リーハさ〜ん、回復の用意しておいて〜。
フィップ 関係ないじゃん。別に放射能の灰が出てくるわけじゃなし(笑)。
ヴァトルダー よし、ガバッと開けてみよう。
GM ぼわ〜。
ヴァトルダー うお〜。……あれ、俺、もしかして真っ黒?
GM まあ、黒くはなるだろうな。獣脂って結構煤(すす)が出るから。体の前面は真っ黒だ。
フィップ ああ、かっこいい(笑)。
ヴァトルダー なんてオセロ状態なんだ(笑)。

 なかなかうまい比喩だな(笑)。

GM 肺の中も真っ黒になるだろうな、息を吸い込んだら。
ヴァトルダー さすがに息は止めてるぞ(笑)。
フィップ 息を止めて、扉を開けて、全力でダーッと……
GM 逃げる?
ヴァトルダー そりゃ当然。
GM じゃあ、逃げる時に後ろも真っ黒(笑)。もくもくもくと煙が出続けて……(コロコロ)……20分もして、ようやく晴れた。今度は空気が逆流してるよ。
ダルス 今入ると、酸欠になるぢゃろうな。
ヴァトルダー しばらく落ち着くまで待つ。
GM じゃあ、夜になる頃には落ち着いたよ。
フィップ 行きますか。

 こうして一行は、三度遺跡の中へ。ずんずん奥へ進んで、犬のいた部屋の入り口である隠し扉まではすんなり移動できた。

ヴァトルダー (隠し扉を)開けます。
GM 開きませんね(きっぱり)。
ダルス へっ?
フィップ はっ、ゴブリンめ。
ダルス 中に石が詰まってるかもしれんのう。
ヴァトルダー じゃあ、ぐぃ〜っと戻って、落とし穴の方を飛び越えようか。
GM では落とし穴のところへ行くと。ここも様子が変わっているからね(笑)。通路が奥──つまり落とし穴の方向──へ向かって、下り坂になっている。傾斜角はざっと30度。
ダルス きついな。
GM 一応判定もやってもらおうかな。冒険者+知力。現場が見えている人だけね。
フィップ じゃあ、ヴァトルダーだけだね。みんな離れてるから。
ヴァトルダー ……。(コロコロ)16だ。
GM 傾斜している所へ、さっきみたいに油が引かれているみたいだ。
ダルス ヤな奴だな。
フィップ 奥まで行って、全部燃やした方がいいかな。
ヴァトルダー 燃やすのか?
フィップ ……やっぱりめんどくさい(苦笑)。隠し扉を破壊した方が早そう。
ヴァトルダー む……じゃあ、隠し扉破壊に勤しもうか。
ダルス それじゃあ、わしらは例によって避難しておくから。
フィップ 最悪、30メートルぐらいの爆風が来ても大丈夫なように。

 相変わらずひどい奴らだ。

ヴァトルダー メイスをリーハさんから借りて……と。殴る。
GM どこを殴るの? 自分の高さ?
ヴァトルダー う〜ん……やっぱり足元だろうな。
フィップ 足元よりも真ん中の方が……(一同頷く)。
GM じゃあ、真ん中を叩くと。ダメージちょうだい。
ヴァトルダー (コロコロ)15。駄目だな。2発目行きま〜す。(コロコロ)23。
GM おう、それはそれは。では、ちゅど〜んと穴が開いた。大きさはこれぐらいだ(と、直径50センチぐらいの輪を作る)。
ヴァトルダー 中を覗くぞ。
GM 真っ黒な犬が動いているな。
フィップ 無事だったか、ポチ!
ヴァトルダー 犬に付けていたロープは?
GM 取られている。
ダルス ちっ、せっかく三匹まとめて縛っておいたのに。
フィップ さすがゴブリンの愛玩動物。『俺様のポチに何をするんだ〜!』
ヴァトルダー な、なるほど(笑)。ところで、なんでこの扉が開かなかったかわかる? 穴から中を覗いて。
GM (穴からの)視野は狭いからな。ちょっとわからない。
ヴァトルダー ふむ。
GM と、向こうからゴブリンが出てきた。『ふはははは、また来たな』と言って、ヴァトルダーが頭を出しているところに<ファイア・ボルト>。はい、精神抵抗して。
ヴァトルダー (コロコロ)14。
GM なら抵抗失敗だな。(コロコロ)ダメージは13点。
フィップ なんでシャーマン・レベルが7レベルも8レベルもあるんだろう?(笑)
ヴァトルダー ええと、ダメージは1引くだけだな?
GM なんでじゃい(笑)。魔法ダメージは、基本が冒険者レベル分減点で、それに加えてお前さんの場合は「魔法の鎧」の分の1点減点がある。
ヴァトルダー じゃあ、8点減点か。5ダメージだ。
ダルス それでも結構痛いな。
GM で、どうやって逃げてるの? やっぱり後ろを向いて?
ヴァトルダー いやいや、敵に背中を向けたりはしない。正面を向いたまま、ジリジリと後退。
GM なら、もう一発喰らってもらおうか(笑)。

 今度もヴァトルダーは抵抗に失敗し、ダメージは14点。髪の毛を焦がしながら通路まで逃げ延びた彼は、リーハに回復を懇願する。

GM リーハさんはげらげら笑っているが?(笑)
ヴァトルダー 聞こえない〜(笑)。リーハさん、回復〜。
ダルス なんぢゃヴァトルダー、いつからパーマになったんじゃ?(笑)
ヴァトルダー 何を言われても聞こえない、聞こえない(笑)。今はとにかく回復〜。
GM じゃあ、(コロコロ)16点回復。
ヴァトルダー よし、全快。
フィップ さて、どうしよう。やっぱり<ファイア・ボール>?
ヴァトルダー ちまちま攻撃するか、こっちからも。
GM あのさあ、GMの私が言うのもなんだが、なんか不毛じゃないか?
ダルス 確かに、隙間から魔法の打ち合いをするのは甚だ不毛ぢゃな(笑)。
ヴァトルダー いや、まあ……(苦笑)。じゃあ、どうしろと? また燃やす?
フィップ また戻るの、面倒だよ。
ダルス それ以前に、彼(ゴブリン)には逃げ道があるぞ。
ヴァトルダー あっ、そうか。(ゴブリンがいた部屋の)扉を閉めてしまえばいいのか。それでさっきのいぶり出しでも被害を受けてないんだな。なるほど、浅はかだった。
ダルス とりあえず、向こうの出方はどうなんぢゃろう?
GM とりあえずも何も、向こうは見えないじゃないか(笑)。
ダルス いや、だから、特に何かをやってくる動きはない?
GM ない。
ダルス たぶん向こうも、こちらの出方を伺っておるはずぢゃから……。
フィップ しかし、さんざん偉そうなことを言う割には、ずいぶん消極的な戦い方をしてくるね(笑)。
ヴァトルダー 俺は思うんだが、あいつ、ここでこのまま閉じこもったままでいる気だったら、これは封印されているのと同じ事なんじゃないのか?
フィップ う〜ん……世の中、非常に平和かもしれない。
ヴァトルダー 俺らがわざわざ喧嘩を売る必要はないんじゃないだろうか?
フィップ ──という算段を、大声でしてみる。
GM(ゴブリン) 人間がここまで愚かだとは……ククク。
ダルス 大丈夫ぢゃ、わしは人間ではない(笑)。
ヴァトルダー 何のかの言っても、あんな穴から<ファイア・ボルト>を撃つような奴だからなぁ……。
ダルス そうそう、あの程度しかできんサルぢゃからのう。
GM(ゴブリン) 6対1で真っ当な戦い方をするような奴の方が馬鹿げておるわ。
ヴァトルダー 1対1じゃね〜か、バカやろ〜(笑)。
GM だから、一人ずつ潰していかないといかんだろう?
ヴァトルダー 『そっちが望みなら、1対1で戦ってやる。逃げたのはお前だよん』と言ってやる。
GM(ゴブリン) では、扉を開けてやるから、お前一人で入ってこい。
ヴァトルダー ようし、行ってやる。行ってやるから、お前もちゃんと1対1で戦えよ。
GM(ゴブリン) よかろう。
ダルス <プロテクション>ぐらいはかけてやろうか?
フィップ じゃあ、僕は<カウンター・マジック>を。
ヴァトルダー おう、よろしく。
GM ゴブリンは扉を開けたが、中に入るかね?
ヴァトルダー うむ。
GM じゃ、とりあえず扉を閉める。
ヴァトルダー よし、閉めようとした瞬間に攻撃をかけよう。

 一瞬沈黙した後、全員爆笑。

ダルス ひ、卑怯者め〜(笑)。
GM ゴブリンは、完全に扉の方を向いているから……。
ヴァトルダー 無防備な奴に攻撃だ(笑)。
GM くそ〜、こっちは回避に−4修正かかるからなぁ。13と言って回避だ。
ヴァトルダー ふっふっふ、1ゾロ以外は命中だぜ。ほら、当たった。ダメージは17点だ。
ダルス (ふと思いついたように)のう、こっち(落とし穴の通路)の先の扉は開いているのかな?
GM まあ、端から扉自体ありませんね。
ダルス すると、フライトを使えば、落とし穴の通路を越えられるな?
GM 越えられるだろうね。ふよふよふよと、結構遅いけど。
ダルス まあ、わしは暇ぢゃからそっちからちまちまと行くことにしよう。
フィップ どうせ開いてるんだったら、ブリザードを2・3発放り込んで、中で断末魔が聞こえたら入っていくということで……。
ヴァトルダー お、俺は〜?(笑)
GM まあいいや、それじゃダルスには飛んでいてもらうとして、戦闘を続けよう。まずはこっちの番だな。(コロコロ)15と言って攻撃。
ヴァトルダー ようし、そのぐらいなら余裕で回避だ〜。(コロコロ)15。
ダルス ぎりぎりではないか!(笑)
GM 次はヴァトルダーの番か。(ころころ)20と言って回避だ。
ヴァトルダー (ころころ)外れた。
GM 次のゴブリンの攻撃、(ころころ)18。
ヴァトルダー ふゆ〜ん(←なんちゅう擬態語だ)。
GM 当たった?
ヴァトルダー まともに当たってます。
GM ダメージは18だぞ。鎧の減点分を……(と、ここで何気なくキャラクターシートを覗き込んで)あれ、いつの間にそんなに回復したんだ?
ヴァトルダー さっきリーハさんに回復してもらったじゃん(笑)。
GM おお、そうだった(←マジボケ)。次の回避は14だ。
ヴァトルダー よっしゃ、当たった! 1回ぐらい回れよ〜……(コロコロ)よっしゃあ、回った!
GM うっ。
ヴァトルダー もう一度……(コロコロ)惜しい、もうちょっとだったのに。ダメージは27。
一同 に、27?!(笑)
GM(ゴブリン) くそう、まさかこれほどまでとは……。
ヴァトルダー あ、そうそう。逃げる動作に入ったら、いつでも阻止する準備はしておくぞ。
ダルス ……(声色を変えて)『俺もろとも撃ち抜け〜!』 よし、任せるのぢゃ!(爆笑)
ヴァトルダー なんて非道な。俺の人権はどこへ行ったんだ(笑)。
GM さて、ゴブリン君は呪文でも撃とうか。
フィップ <バルキリー・ジャベリン>と見た。
GM 当ったり〜。(ころころ)18。
ヴァトルダー むう、8以上なんて出るのか?
フィップ <カウンター・マジック>がかかってるから、精神抵抗+2あるよ。
ヴァトルダー あ、そうか。6以上……(ころころ)よし、抵抗したぞ。……それでも20のレーティングを使うのか。
GM (ころころ)ダメージは15点だ。
フィップ プロテクションで1点減点できるから、(冒険者レベルと魔法の鎧の分を合わせて)合計9点防げるよ。
ヴァトルダー それでも6点か。いててて。
GM ゴブリンはギャーギャー叫び声を上げて、犬は吠えている。
フィップ 犬、やっぱりゴブリンの愛玩動物だったんだ(笑)。
ヴァトルダー 攻撃するぞ。俺はひたすら攻撃するしか能がないんだ。(ころころ)よし、当たった。(ころころ)うわ〜、あと一歩なのに。18点ダメージ。
GM よし、それじゃあ……
ヴァトルダー まだ生きてるのか。
GM むむむ……この呪文を使おう。<ヴァルキリー・ブレッシング>。
ヴァトルダー 何、それ?
フィップ 50点の防御壁。でも、ダメージが直接くる(鎧の分の減点が効かない)から、2回ぐらいしか持たないんじゃない?(笑)
GM というわけで、50点の光の鎧ができたぞ。

 とはいえフィップの指摘通り、こいつら(というか、主にヴァトルダー)相手にそれほど長時間持つわけはないのである(苦笑)。かといって逃げ道がヴァトルダーに塞がれている以上、退却という手段も取れない。
 更に、ゴブリンに余裕なしと見て取ったフィップが穴を潜り抜けて室内へ侵入する始末。
 苦肉の策で<スリープ>をヴァトルダーにかけてみたものの、あっさり抵抗されてしまった(涙)。もはや打つ手なし。
 それから3ターン後、ヴァトルダーの攻撃でついに光の鎧が消えた。

フィップ じゃあ、攻撃しま〜す。(コロコロ)あっ、1ゾロ。
ヴァトルダー お前はそこで見とけ、もう(笑)。
GM ゴブリンの番だな。爪で斬るぞ。(コロコロ)14。
ヴァトルダー (コロコロ)いえ〜、かわした。
ダルス ……というやり取りを、わしは扉の陰で一部始終みているわけぢゃな?(笑) いつでも撃てる用意をしておこう。
ヴァトルダー ダルスにおいしいところはやらん。いくぜ〜! (コロコロ)よっしゃ〜! 回ったぜ。
フィップ なんでもっと早く……(笑)。
ヴァトルダー (コロコロコロコロ)31点。
GM (裏返った声で)31?
ダルス 即死ですな。
GM (コロコロ)いや、気絶だ。犬が吠えかかる。
ヴァトルダー 犬、来るの? もういいって。
ダルス <スリープ・クラウド>ぢゃ。
ヴァトルダー ああっ、おいしいところを(笑)。
GM 3体とも、ぽてっ。はい、ヴァトルダーも抵抗して(笑)。
ヴァトルダー ちょ、ちょっと待て、そんなオチはイヤだ〜(笑)。(コロコロ)お〜、成功だ。
ダルス ここで1ゾロが出れば、完璧なオチだったんぢゃがな(笑)。
ヴァトルダー さて、このゴブリンをどうやって処分しよう。首を切るか?
フィップ ちなみに、「ゴブ」がカタカナで「りん」がひらがな?(笑)
ダルス いやな生物(笑)。
フィップ 精霊使いだから、とりあえず指を落として……(←おいおい)。
ダルス 獣脂を擦り込んで、火を付けて……(←こらこら)。
GM 一応、まだ生きてるけどね。放っておいたら死ぬよ。
フィップ 縛り上げて、他に仲間がいるか聞いて上げない? 「仲間がいる」って言ったら口封じのために燃やして、「いない」って言ったらそのまま引き渡してもいいし。
GM (なんか変な論法だな)ロープで縛るわけ?
フィップ うん。……あっ、なんかこいつ、ロープを切りそうな気がする。
GM (できんできん)
ダルス なら、腕ぐらい落としておくか。
フィップ ああ、腕ぐらいなくても大丈夫かな。
ダルス うむ、大丈夫ぢゃ(きっぱり)。
GM さすがにリーハさんはとめるぞ、そういうのは。
ヴァトルダー リーハさん、やるときはやらなきゃいかんのだよ。
GM(リーハ) ソローに残酷なところを見せるつもりですか?
フィップ もうさっきから見せまくってるし(笑)。
ダルス ストーン・サーバント(ゴーレム)を作って抑えつけさせてもいいかものう。
フィップ ロープで縛った上から、ストーン・サーバントで熱き抱擁を(笑)。
ダルス それだけやっておけば、たぶん大丈夫じゃと思う。

 というわけで、ロープで縛った後にストーン・サーバントを創り出してゴブリンを抑えつけ、応急処置で気絶から回復させた。

GM ゴブリンは起きた。
フィップ おはよう。
ヴァトルダー 顔を踏みつけるぞ。
GM ゴブリンは恨めしそうな目で睨み付けている。『お前如き人間にここまでやられるとは……』。
ヴァトルダー 俺の方が強いということが、よくわかっただろう。
GM(ゴブリン) 気のせいだ。1対1ならお前には……
ヴァトルダー ちょっと待て、1対1だっただろうが(笑)。
フィップ 仲間はいるのかな?
GM(ゴブリン) 仲間? 何のことだ。
フィップ (まじめな顔で)非常に重要な議論を忘れてた。(ゴブリンに向かって)君、何者?(爆笑)
GM(ゴブリン) 私は、魔法の力が生み出した万能なるゴブリンだ。
ヴァトルダー 何それ(笑)。
ダルス ゴブリンの分際で偉そうに言うんじゃない(笑)。
GM(ゴブリン) エルフの分際で偉そうな口をきくな。

 一同、どよめく。

フィップ なんと、これがエルフだとすぐに看過するとは! さすが完全なるゴブリン(爆笑)。
ダルス あ、あんな下等な生物(←エルフ族のことらしい)と一緒にするでない!
ヴァトルダー あちゃ〜(笑)。
フィップ ヨガを体得することによってエルフを越えた(笑)。
GM なんか、ハイ・エルフに刺されそうな発言だな(笑)。では、ゴブリン君の身の上話をお聞かせしよう。昔々のことじゃった……
フィップ 終わり。
GM 終わるかい(笑)。古代カストゥール時代に、とある魔術師が研究を行っていたのだ。モンスターも含めた『生物の能力を高める実験』を行っていたのだな。
フィップ つまり、これからヴァトルダーを人体実験しようというわけですね。
GM おいおい(苦笑)。
ヴァトルダー え、何? 俺、強くなれるの?
フィップ モンスターとして?
ヴァトルダー うっ……(絶句)。
GM その実験の産物が、今目の前にいるゴブリンだったんだが、理論値と違って無茶苦茶強くなり過ぎてね。ゴブリンは、自分を創造した魔術師を喰ったわけだ。その時に人の味を覚えたんだな。それ以後、彼は山の動物を捕まえて食料としてきた。ところが、20年前に村の子供に出会って、人の味を懐かしんだゴブリンはその子供を喰っちまった。これが引き金となって、この遺跡は封じられたのだ。
フィップ でも、裏に出口があるんでしょ?
GM(ゴブリン) あれは私が作ったのだ、ふはははは。
フィップ 頑張って?
GM(ゴブリン) (しみじみと)頑張って。
ダルス しみじみ言うな、しみじみと(笑)。
GM(ゴブリン) しかしあの封印のせいで、私は仲間達を殺してしまった。
ダルス は?
ヴァトルダー ……仲間を喰ったな(笑)。
ダルス やっぱりそんなことだろうと思ったわ(笑)。ということは、他はいないな?
GM(ゴブリン) (無言で頷く)
フィップ じゃあ、証拠を持って帰ることになってるんで……
GM(ゴブリン) うーっ、この私を殺そうというのか。この高尚なるゴブリンを!
フィップ この奥にお宝とかはないの?
ヴァトルダー そうだ、それがあったら許してやろう。
GM(ゴブリン) 宝とはすなわち、私の命!(きっぱり)
ヴァトルダー (間髪入れずに)よっしゃ〜、それをもらっていこう(爆笑)。
ダルス 大丈夫、高尚なる君は高尚なる私の手でもって……
GM(ゴブリン) できれば、そこのお嬢さんに殺してほしいな〜(笑)。
ダルス エロじじいめ(笑)。

 話し合った結果、ゴブリンは「村へ連れ帰って、ゴブリンの処遇は村人に委ねる」ということで話がまとまった。

GM では村だ。帰ってきた君たちを、村人達は遠目に見てるけど?
ヴァトルダー 村長に報告する。
GM(村長) あれはなんですかな?
ヴァトルダー 例のモンスターです。
GM(村長) (感慨深げに)おお、とうとうやってくれましたか……。
フィップ これ、今はこの石のやつ(ストーン・サーバント)に掴ませているから大丈夫ですけど、あと30分もしたら暴れ出しますんで(笑)。
GM(村長) な、なぜ退治して下さらんのじゃ?!
ヴァトルダー お前が証拠を持ってこいって言ったからだ!(笑)
GM(村長) いやいや、わしは死体の一部でもよかったんじゃが……。
フィップ じゃあ、今ここで死体の一部を作りましょうか?(笑)
GM(村長) ちょ、ちょっとわしは心臓が弱いもので……(引き気味)。
ダルス 煮ても焼いてもなますでも……
GM とかなんとか言っているうちに、村の若い衆が3人ぐらいやってきてざっ くざっくと殺ってしまう。
ヴァトルダー なんと、弱い者しか倒せない……。
フィップ 『どうせなら、若い娘に殺されたかった〜』……がくっ(笑)。
GM そう言ったかどうかはわからないが、とにかくゴブリンは始末された。
ヴァトルダー これで、この事件も解決だな。
GM(村長) ありがとうございますじゃ。これでもうモンスターはいないわけですな?
フィップ たぶん(笑)。
GM 『わかりました、それでは依頼料をお支払いいたしましょう』というわけで、2000ガメルを……(しばし周りを見回し、ついでに手元のキャラクター・シートもチェックして)……セダルに渡そうか。
フィップ なぜ?! なぜ何もしていない奴に!(笑)
GM そりゃまあ、見た目と日頃の言動のせいだな。
ヴァトルダー そういや、セダルも一緒についてきてたんだったな。すっかり忘れてたぜ(笑)。
フィップ ここでもしダルスに依頼料を持たせたら、そのままミネラル補給とかいって……
ヴァトルダー いてっ(笑)。



 ──というわけで、どうにかこうにかシナリオ終了である。やっぱりNPCは目立たなかったか(苦笑)。
 一人頭の報酬は、(ソローを除いた5人で割って)400ガメルだった。

 最後に、この後報酬でごねたダルスが村長から「漬け物半年分」を手に入れたことを付け加えておこう(笑)。

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