パナソニックがエアコンのリモート電源ONを実装したものの経産省のNGを受けて去勢されて、その後改めてOKになって復活した、というのがありました。
(リンク)NGになったときのITMediaの記事
(リンク)その後OKになったときのITMediaの記事
で、これが法令上どのように変わったか知らなかったので、確認してみました。
情報は、経産省の「電気用品安全法のページ」(http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/)内の「電気用品の技術上の基準を定める省令等の改正について」(http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/topics.htm#kaisei20130701)から辿れます。
電気用品の技術上の基準を定める省令の全部を改正する省令
「やだ…何これ…」的な命名センスですが。
この法令は平成25年7月1日改正、26年1月1日施行だそうです。
全文は、上記リンクの一番上にある以下のPDFです。(縦書き!)
http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/gijutsukijun20130701.pdf
電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈
省令は「解釈」しないといけないようです。
で、その解釈も改正されています。
改正後の全文は、同じく上記リンクの中にある「電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈(改正後)」です。
http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/kaishaku20130701.pdf
全部で851ページあります。
無理ですね。(何が)
電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈(改正後)の改正内容
「※改正の内容(8/20)」に差分がまとまっています。
PDFのタイトル情報に「Microsoft Word – 20130701新解釈改正内容ver6.docx」とあって、何か残念です。
http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/kaiseinaiyou20130701.pdf
今回のエアコンのリモート制御に該当しそうなのは、このPDFの7ページから始まる「別表第八」の「1(2)ロ」の「b」です。
「b」と「(b)」は別なので注意してください。ここで挙げている「b」は、7ページの下7行目から始まる節です。
1つ前の「電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈」のPDFでは、393ページの真ん中あたりからが該当します。
以下、「別表第八」の「1(2)ロ」を抜粋します。
b 通信回線(別表第四1(2)ロ(イ)に掲げるものを除く。)を利用した遠隔操作機構を有する機器で次の全てに適合するもの。
(a)遠隔操作に伴う危険源がない又はリスク低減策を講じることにより遠隔操作に伴う危険源がない機器と評価されるもの。
(b)通信回線が故障等により途絶しても遠隔操作される機器は安全状態を維持し、通信回線に復旧の見込みがない場合は遠隔操作される機器の安全機能により安全な状態が確保できること。
(c)遠隔操作される機器の近くにいる人の危険を回避するため、次に掲げる対策を講じていること。
ⅰ 手元操作が最優先されること
ⅱ 遠隔操作される機器の近くにいる人により、容易に通信回線の切り離しができること
(d)遠隔操作による動作が確実に行われるよう、次に掲げるいずれかの対策を講じること。
ⅰ 操作結果のフィードバック確認ができること
ⅱ 動作保証試験の実施及び使用者への注意喚起の取扱説明書等への記載
(e)通信回線(別表第四1(2)ロ(イ)に掲げるもの及び公衆回線を除く。)において、次の対策を遠隔操作される機器側に講じていること。
ⅰ 操作機器の識別管理
ⅱ 外乱に対する誤動作防止
ⅲ 通信回線接続時の再接続(常時ペアリングが必要な通信方式に限る)
(f)通信回線のうち、公衆回線を利用するものにあっては、回線の一時的途絶や故障等により安全性に影響を与えない対策が講じられていること。
(g)同時に2 箇所以上からの遠隔操作を受けつけない対策を講じること。
(h)適切な誤操作防止対策を講じること。
(i)出荷状態において、遠隔操作機能を無効にすること。
平易な文章なので、まあ書いてあるそのままです。
要点は、操作者及び操作対象機器がちゃんと識別されること、操作対象機器の近くにいる人に対して安全が充分担保される作り/仕組みであること、リモート操作がデフォルトで無効であること、といったところでしょうか。
「別表第八」の「1(2)ロ」の「a 音声を利用した遠隔操作機構を有する屋内用の機器で遠隔操作により閉路できる容量が300W 以下であって、次に掲げるもの。」にリストアップされた製品か、もしくはこれを満たさなくてかつ上記の「b」をすべて満たす製品であれば遠隔操作の実装がOKということですね。
余談
「1」「(2)」「ロ」「b」「(d)」「ⅰ」とか、階層深すぎるし括弧付きと括弧なしで階層違うし、もうちょっと何とかなりませんかね。
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